「常陸の国風土記 -ある島での少年と少女のやりとり-」


本義だけが意味を成し、本義のみがクローズアップされますように


マイクロ波聴覚効果

参照元

https://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n46350

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マイクロ波聴覚効果

ライター:patentcomさん(最終更新日時:2012/4/26)投稿日:2012/3/23

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概要

通常、人間の耳から音が聞こえる。ところが、マイクロ波聴覚効果では、耳以外から音が聞こえる!

マイクロ波聴覚効果(microwave auditory effect)とは、マイクロ波をパルスとして、人間の頭部に照射して、頭がい骨内の組織を瞬間的に加熱して振動を与え、この振動が人間の聴覚系を刺激して、マイクロ波パルスが当たった人の頭の中から音が聞こえる現象をいう。

コーネル大学フレイ教授がマイクロ波聴覚効果を最初に報告したこともあり、
マイクロ波聴覚効果はフレイ効果とも称される。

マイクロ波聴覚効果が発生するためには、

(1) 電波の周波数、
(2) 電波がパルスであること、
(3) 電波の出力

の3つの条件を満たすことが求められる。

もっとも、マイクロ波パルスが人間の頭部に命中することが
マイクロ波聴覚効果が発生する前提である。

マイクロ波聴覚効果は、マイクロ波をパルスとして発射する点においてレーダーと共通し、また、第二次世界大戦中にレーダー基地で発見された。

電波の周波数

a 世界保健機構の文献

世界保健機構(WHO)の「レーダーと人の健康」という下記の日本語に翻訳された報告書によると、200メガヘルツから6.5ギガヘルツ(6500メガヘルツと同一)の周波数の電波で、マイクロ波聴覚効果が生じる。

http://www.who.int/peh-emf/publications/facts/radars_226.pdf

この報告書は、レーダーに使われる電波と人間の健康の関係について説明している。この報告書の日本語訳では、radiofrequency及びその略語であるRFの訳語が不正確であり、これらは「電波」という意味である。

b モトローラ・フロリダ研究所の文献

モトローラ・フロリダ研究所の「電波エネルギーパルスの聴覚応答」という論文によると、
マイクロ波としては、2.4メガヘルツから、1万メガヘルツ(1万メガヘルツは10ギガヘルツと同一)の周波数の電波で、マイクロ波聴覚効果が生じる。

(J.A. Elder and C.K. Chou, モトローラ・フロリダ研究所、
「電波エネルギーパルスに対する聴覚応答」
Bioelectromagnetics Supplement 6:S162-S173(2003)

モトローラは、米国の大手通信機器メーカーであり、
1983年に、世界で最初に携帯電話を発売した。
モトローラの携帯事業は、2011年にグーグルに買収され、
そのノウハウはアンドロイドに引き継がれた。)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/bem.10163/pdf
http://grouper.ieee.org/groups/scc28/sc4/Auditory effects.pdf

電波の周波数が200メガヘルツ以下であったり、
6.5ギガヘルツ以上であっても、
パルス幅を調整したり、出力を大きくすることにより、マイクロ波聴覚効果が発現する。

論文の「聴覚応答」とは、人間の聴覚系(外耳、鼓膜がある中耳、蝸牛がある内耳、聴覚神経、及び、大脳の聴覚野から構成される聴覚系)がマイクロ波パルスにどのように応答するかということである。

パルス

マイクロ波の性質は、連続波とパルスで全く異なり、
マイクロ波聴覚効果は、パルスで観測されるが、連続波で観測されない。
例えば、電子レンジでは、連続波が使われており、マイクロ波聴覚効果は起きない。

1個のマイクロ波パルスの例としては、1秒の100万分の1秒という極めて短い時間だけ、マイクロ波が発射される。

可視光で喩えた場合、フラッシュライトは一瞬だけ光る。電磁波が一瞬だけ発射されるのが、パルスである。

パルスとしては、0.5マイクロ秒~32マイクロ秒(マイクロ秒は時間の単位であり、1マイクロ秒は1秒の100万分の1秒である)のパルス幅が主に使われる。

出力(エネルギー)


1個のマイクロ波パルスのエネルギーが小さ過ぎると、マイクロ波聴覚効果が発現せず、一定の基準値以上のエネルギーであることが求められる。

通常の音であっても、音が小さ過ぎると、即ち、音のエネルギーが小さ過ぎると、耳から聞こえないのと同様である。

具体的には、1個のマイクロ波パルスが、40マイクロJ/cm2以上のエネルギーを脳組織に照射することが、閾値(基準の数値)であり、この基準値を超えるとマイクロ波聴覚効果が発現する。即ち、脳の1平方センチメートルの断面積に、1ジュールの10万分の4のエネルギーが発射されることが求められる。

脳1グラム当たり16マイクロジュールのエネルギーが吸収されることが閾値である。

軍事レーダーは、雲を観測する気象レーダー、航空機を捕捉する空港管制レーダーと比べて、マイクロ波パルスの最大瞬間出力が大きいことに特徴がある。

軍事レーダーは、10万ワットの出力、100万ワットの出力があるものが建設されている。
一方、空港管制レーダーは、千ワットから1万ワットの出力に留まる。

家庭用電子レンジが、600ワット~800ワットであることを考慮すると、極めて出力が大きい。

電波ビーム

マイクロ波パルスのエネルギーを人間の脳に効率よく伝えるためには、マイクロ波をビームとして発射する。レーダーは、通常、マイクロ波をビームとして発射しているので、レーダー技術をそのまま応用できる。

テレビ局、ラジオ局は、電波を360度、どの方向にも発射しているが、レーダーやマイクロ波聴覚効果を発揮する兵器では、マイクロ波パルスをビームとして直進させている。



1個のマイクロ波パルスが脳に照射された場合と、複数のマイクロ波パルスが規則性を持って、脳に照射された場合で異なるが、例えば、下記の「レーダーと人の健康」という世界保健機構の文献では、頭の中に、「ザーザー、カチカチ、シューシュー、ポンポンなど様々な音が聞こえる」とされている。

http://www.who.int/peh-emf/publications/facts/radars_226.pdf

マイクロ波聴覚効果により、音は、頭の中から聞こえると報告する人もいれば、頭の上から聞こえると報告する人もいれば、遠くから聞こえるという人もいる。


音のボリュームと出力(エネルギー)の関係

頭に聞こえる音のボリュームは、マイクロ波パルスの最大出力、最大エネルギーに依存する。

二つの例を示す。

例1

100万ワットの出力のレーダーから、1マイクロ秒(100万分の1秒)のマイクロ波パルスを1回だけ、100万ワットで出力する。

1秒間、マイクロ波が持続して発射したときには、100万ワットの出力になるが、
この例では、100万分の1秒だけなので、1回のパルスでは、1ワットの出力になります。

例2

100万ワットの出力のレーダーから、1マイクロ秒のマイクロ波パルスを、1秒間に100回、発射する。

すると、1回のパルスは1ワットですが、100ワットの出力になります。

2つの例をまとめます。

1秒に1回の割合でパルスを発射すると、パルス1回は1ワットの出力で、平均1ワットの出力。

1秒に100回の割合でパルスを発射すると、パルス1回は1ワットの出力で、平均100ワットの出力。

ちなみに、レーダーでは、1秒に100回~400回、パルスを発射することは、普通の使い方です。

頭に聞こえる音のボリュームは、パルスの最大出力に依存します。
上記の例では、1秒に1回、パルスを発射しようと、
1秒に100回パルスを発射しようと関係なく、
1回のパルスの出力、100万ワットに依存します。

出力の意味

出力100万ワットのレーダーが、
パルス幅が1マイクロ秒のパルスを
1秒に100回の繰り返しで
発射しても、必要な電力は100ワットに過ぎません。

家庭の照明では、60ワット、45ワットが使われていますが、これらの照明は連続して光を放射しています。

レーダーを光で喩えると、100万分の1秒だけ、100万ワットの閃光をフラッシュのように放射し、これを1秒に100回、点滅させることになります。

100万分の1秒であっても、100万ワットという途方もない出力で光を発射すると、眼に悪かったり、身体に悪いと思いますよね? マイクロ波も同様です。

レーダー技術をこの方向で悪用すると、てんかん発作を起こす兵器が開発できます。この兵器では、1秒に15回又は1秒に3回、脳に向けてマイクロ波パルスを発射します。1秒に照射するパルスの回数は、アルファ波など脳が自然に形成するリズムからずれているので、脳の機能が麻痺し、気絶させます。脳の神経細胞がビーム状にヤケドをすれば、脳の機能に支障が起きます。

2006年12月に、米国陸軍は、「一部の非致死性兵器の生体効果」という機密書類を情報公開して、レーダーを応用して、てんかんを起こす兵器を公表しました。

http://www.freedomfchs.com/usarmyrptonmicrowavefx.pdf

米国陸軍の元機密書類では、1秒に15回、マイクロ波パルスを発射するとしています。パルス幅は、1ナノ秒、即ち、1秒の10億分の1秒です。

レーダーは、パルス幅を短くすると、瞬間最大出力を大きくできるという特徴があるので、1ナノ秒のパルスでは、瞬間最大出力は100万ワットより大きい500万ワット、1千万ワットになるでしょう。

機構

マイクロ波聴覚効果により、大脳の聴覚野で音が認識される機構は熱弾性波理論が通説である。

まず、通常の音の音声認識機構から説明し、次に、その機構と比較する。

耳は、外耳道がある外耳、鼓膜がある中耳、蝸牛がある内耳に分化している。

通常の音は、空気の振動が伝搬して、
人間の耳の鼓膜を振動させる。
そして、鼓膜の振動は微小骨の振動となり、内耳に伝達する。
内耳の蝸牛で振動が電気信号に変換される。
この電気信号が聴覚神経を経由して、
大脳皮質の聴覚中枢に伝わり、
聴覚中枢で音を認識する。

マイクロ波聴覚効果では、アラン・フレイはマイクロ波パルスが脳のニューロンを直接、刺激するという説を提唱した(J. Applied Physiology, 17:689-692, 1962 「変調された電磁波エネルギーに対するヒト聴覚系の応答」)。

蝸牛を損傷させた動物の脳波を測定する実験において、マイクロ波パルスを照射しても、聴覚に対応する脳波が聴覚野から検出されなかったことから、
マイクロ波聴覚効果には、蝸牛が関与していることが明らかになった。

Taylor EM, Ashleman BT "Analysis of Central Nervous System Involvement in the Microwave Auditory Effect" Brain Research 74:201-208; 1974

E.M.テイラー、B.T.アシュルマン、「マイクロ波聴覚効果における中枢神経系の関与」、脳研究、74:201-208、1974

マイクロ波パルスが音として認識される機構は、下記の通りである。

 マイクロ波パルスが人間の脳に照射され、加熱に起因して、脳が膨張したり縮小したりする。
 脳の膨張、収縮は熱弾性波を発生させ、この熱弾性波が蝸牛の内部又は近傍に伝達する。
 熱弾性波が蝸牛により電気信号に変換される。
 その電気信号が聴覚神経を通じて、聴覚中枢に伝達される。
 聴覚中枢で音として認識される。

沿革

マイクロ波はレーダーに応用されていることもあり、レーダー関連の技術は軍事技術として秘匿されやすい。

第二次世界大戦中、夜間でも敵の飛行機、敵の船がある位置を把握して、砲撃できるか否かは、レーダーの性能に依存していた。誘導ミサイルなど、標的にミサイルを誘導する技術は、レーダーの応用である。

マイクロ波聴覚効果は第二次世界大戦中に軍事レーダーで観察されたこともあり、コーネル大学アラン・フレイ教授がマイクロ波聴覚効果を1962年に応用生理学ジャーナルに発表するまで、20年前後、秘匿されていた。

J. Applied Physiology, 17:689-692, 1962 「変調された電磁波エネルギーに対するヒト聴覚系の応答」の英語論文は下記サイトを参照ください。

http://www.thatte.net/frey.pdf


マイクロ波聴覚効果は、1974年頃から、イリノイ大学シカゴ校、ジェームズ・リン教授などが再現実験を論文、書籍などで発表しており、マイクロ波聴覚効果が発現することを確認し、更に、マイクロ波聴覚効果が発現する電波の条件、生理機構などを解明している。

更に、J.A. Elder and C.K. Chou,
Bioelectromagnetics Supplement 6:S162-S173(2003),
"Auditory Response to Pulsed Radiofrequency Energy"
「電波エネルギーパルスに対する聴覚応答」
という下記の英語論文では、表1に、11件の別箇の引用論文の実験結果がまとめられています。


http://grouper.ieee.org/groups/scc28/sc4/Auditory effects.pdf


表1の引用論文では、マイクロ波パルスにより、マイクロ波聴覚効果が生じることが報告されており、再現性があることが分かります。表1は、マイクロ波聴覚効果が発生するマイクロ波パルスの条件を明らかにしています。




知恵ノート、「幻聴の秘密 その1~その6」では、マイクロ波聴覚効果を応用する兵器、即ち、幻聴を起こす兵器について説明されています。

知恵ノート、「電磁波犯罪、マインドコントロールの真実」では、マイクロ波聴覚効果を応用した兵器の悪用が説明されています。

知恵ノート、「てんかんの秘密」については、てんかん兵器について言及しています。

マイクロ波聴覚効果について、質問を受け付けます。