「常陸の国風土記 -ある島での少年と少女のやりとり-」


本義だけが意味を成し、本義のみがクローズアップされますように


記事再掲載:マイクロ波聴覚効果が生じる周波数


1.フレイ論文
 
コーネル大学フレイ教授(Allan H Frey)が1962年の応用生理学ジャーナル、17(4)689~692ページにマイクロ波聴覚効果に関する下記の論文(以下、フレイ論文という)を報告しました。
 
「変調された電磁波エネルギーに対するヒト聴覚系の応答」
 
変調された電磁波エネルギー」とは、この文脈では、パルス変調した電波を意味します。要するに、論文のタイトルは、パルス波形の電波を人間に照射して、ヒト聴覚系の応答を実験しています。
 
425MHz、1.310MHz、2982MHzのマイクロ波はパルス波形のとき、
聴覚を刺激することが観察されています。
 
要するに、300MHzから3000MHz(3GHz)の電波はUHFと言いますが、
UHFはパルス波形のとき、聞こえるのです。
 
別人の研究により、人間に聞こえる周波数はUHFより
広い範囲であることが分かっています。
 
以下、フレイ論文の内容と、マイクロ波聴覚効果を応用した
通信システムとの関係を述べます。
 
2.マイクロ波聴覚効果(表2)
 
フレイ論文は、表2に、6種類のマイクロ波送信器を使って、人間の頭部にマイクロ波パルスを発射して、何れのマイクロ波送信器でも、音が聞こえた現象を報告しています。
 
1.31ギガヘルツの送信器(1種類)、2.982ギガヘルツの送信器(1種類)、425メガヘルツの送信器(4種類)で、マイクロ波聴覚効果(フレイ効果)が観測されています。425メガヘルツの場合、パルス幅が125マイクロ秒、250マイクロ秒、5000マイクロ秒、1000マイクロ秒、2000マイクロ秒で実験されています。
 
周波数が1.31ギガヘルツ、パルス幅が6マイクロ秒のパルスを1秒に224回、繰り返すという条件で、音として聞こえています。
 
周波数が2.982ギガヘルツ、パルス幅が1マイクロ秒のパルスを1秒に400回、繰り返すという条件で、音として聞こえています。
 
周波数が425メガヘルツ、パルス幅が125マイクロ秒、250マイクロ秒、500マイクロ秒、及び、1000マイクロ秒のパルスを1秒に27回、繰り返すという条件で音として聞こえています。
 
これらのマイクロ波送信器はレーダーに用いられるものであり、連続波でなく、パルスとしてマイクロ波を発射しており、発射後は、マイクロ波のビームが形成されます。
 
マイクロ波聴覚効果は、マイクロ波をパルスとして発射したときの特徴であり、連続波として発射したときにはマイクロ波聴覚効果は発生しません。
 
例えば、地上デジタルテレビ放送でもマイクロ波が使われています。しかし、地上デジタルテレビ放送では、連続しているサイン波が搬送波として用いられているので、マイクロ波聴覚効果は示しません。
 
地上デジタル放送のデジタルとは、音声信号、映像信号をデジタル化して、搬送波に乗せているのです。数学的には、音声信号、映像信号を示す数式と、搬送波を示すサイン(sinωt)が掛け算されています。
 
3.対人レーダーとの関係(図5)
 
(1)図5の説明
 
フレイ論文の図5には、マイクロ波エネルギーがパルスとして頭部に照射されたとき、マイクロ波エネルギーがどのような挙動を示すかについてグラフが描かれています。
 
約100メガヘルツから約1.5ギガヘルツ(約1500メガヘルツ)の範囲では、周波数が増加するにつれて、
マイクロ波が皮膚の内部に浸透する深さが増加していきます。
 
約100メガヘルツでは、皮膚に入射したマイクロ波の約10%が、皮膚表面から0.4cmの深さ、即ち、脂肪層と筋肉層の境界界隈まで浸透します。
 
約1.5ギガヘルツでは、皮膚に入射したマイクロ波の約10%が、皮膚表面から1.4cmの深さまで浸透します。頭骨と大脳との境界が約1.1mmなので、頭骨を貫通して、大脳までマイクロ波が浸透します。
 
1.5GHzのマイクロ波は、20cmの波長になります。
 
また、成人男性は、頭部の直径(水平断面の直径)は約20cmです。
 
(2)対人レーダーとの関係
 
興味深いことに、約100メガヘルツから約1.5ギガヘルツの範囲では、マイクロ波は皮膚の内部に浸透した後、反射する性質があります。
 
一方、約1.5ギガヘルツから約10ギガヘルツの範囲では、マイクロ波聴覚効果は頭部に吸収される性質があります。例えば、電子レンジは、約2.5ギガヘルツの周波数の連続波を用いていますが、この性質を利用して食品を加熱しています。
 
対人レーダーとしてマイクロ波パルスを用いるときには、マイクロ波パルスが人、特に頭部に命中して反射することが求められます。
 
対人レーダーとは、人が歩いていても、車に乗っていても、電車に乗っていても、飛行機に乗っていても、人の位置を追跡するレーダーです。
 
従って、マイクロ波聴覚効果を利用した音声送信システムは、対人レーダーの機能を兼ね備えているので、約1.5ギガヘルツ以下のマイクロ波が選択されます。
 
一方、マイクロ波聴覚効果は、200メガヘルツから6.5ギガヘルツ(6500メガヘルツと同一)の周波数の電波で生じることが分かっています。
このソースは、世界保健機構(WHO)が作成したファックトシートNo.226、「レーダーと人の健康」という下記の日本語に翻訳された報告書です。
 
 
従って、マイクロ波聴覚効果を利用した音声送信システムでは、200メガヘルツから約1.5ギガヘルツの電磁波が用いられていることが判明します。
 
(3)脳波の測定との関係
 
音声送信システムの被害者は、思考を盗聴されているという被害も訴えることが多いです。
 
思考盗聴システムは、遠方より、被害者の脳波、特に、頭部の様々な位置における脳波を測定することが基本となっています。しかも、ある特定の瞬間における脳波地図に限られず、その脳波地図がどのように変化するかを測定することが求められます。
 
これは1974年に米国特許出願され、1976年に米国特許3951134号が取得された技術で可能です。遠隔地より、レーダーを応用して脳波を測定する技術については、下記のヤフー知恵ノートで解説しています。
 
 
さて、遠隔地より、電磁波を使って脳波を測定するときには、どの周波数を用いているでしょうか?
 
米国特許3951134号では、100メガヘルツ、210メガヘルツの周波数を用いて、脳波を測定しています。
 
一方、上記のフレイ論文、図5では、約400メガヘルツ前後のときに、頭部の頭骨と大脳との境界付近まで、頭部に照射されたマイクロ波の10%が浸透した後、反射します。
 
この反射波が測定できたときには、頭部の頭骨と大脳との境界付近の脳波を測定したことになります。一方、電極シートを頭部に貼りつけて、脳波を測定したときには、頭部の皮膚表面の脳波、正確には電位を測定したことになります。
 
上記のフレイ論文、表2では、4種類の送信器が425メガヘルツの周波数を発信しているので、425メガヘルツ前後の周波数が、マイクロ波聴覚効果を利用した音声送信システムで使われていると推察します。
 
4.自衛隊との関係
 
日本国内では、総務省が電磁波の周波数を割り当てています。
そして、この周波数は、「周波数帳」という株式会社三才ブックスが毎年、発売している書籍にまとめられている。
 
この書籍は下記のサイト参照のこと。
 
 
この書籍をチェックすると、多数の自衛隊の基地が400~500メガヘルツの周波数を使っていることが分かります。
 
5.小括
 
レーダー技術を応用した電子機器は軍事利用されることが多いことを考慮すると、自衛隊マイクロ波聴覚効果を利用した音声送信システムを悪用する犯人でしょう。