世界大百科事典 第2版の解説
エックスせんかいせつ【X線回折 X‐ray diffraction】
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
X線回折
えっくすせんかいせつ
(1)ラウエ法 単結晶に連続波長分布のX線(連続X線)を当て、結晶の前あるいは後ろに置かれた写真フィルム上に多くのラウエ斑点(はんてん)からなるラウエ写真を撮影する。
(2)回転結晶法 ある結晶軸の周りに小結晶を回転させながら、これに単色X線を当て、写真フィルムの上に一挙に多くのブラッグ反射を記録する方法。
(3)X線回折計(X線ディフラクトメーター)による方法 X線回折計は、それぞれの格子面からブラッグ反射がおこるように結晶の方位を調整し、かつそのブラッグ反射が測定できるような方位に計数管をもっていって反射強度を測定する、という一連の操作を自動的に遂行できるように複数の回転軸をもつ測定装置。結晶構造の精密な研究には、多くの場合これを利用する。通常は単色X線を単結晶に当て測定する。
(4)デバイ‐シェラー法(粉末結晶法という) 粉末試料や多結晶質の物質に適用する方法で、単色X線を用いて試料からのデバイ‐シェラー環に相当する回折X線を写真法あるいはX線回折計によって記録する。[石田興太郎]
『加藤誠軌著『X線回折分析』(1990・内田老鶴圃) ▽加藤範夫著『X線回折と構造評価』(1995・朝倉書店) ▽早稲田嘉夫・松原英一郎著、堂山昌男他監修『X線構造解析――原子の配列を決める』(1998・内田老鶴圃) ▽B. D. Cullity著、松村源太郎訳『X線回折要論』新版(1999・アグネ承風社)』
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