「常陸の国風土記 -ある島での少年と少女のやりとり-」


本義だけが意味を成し、本義のみがクローズアップされますように


衆議院議員吉井英勝君提出自衛隊が保有する通信衛星と無人機の導入に関する質問に

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a179095.htm

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b179095.htm

衆議院議員吉井英勝君提出自衛隊保有する通信衛星無人機の導入に関する質問に対する答弁書

自衛隊は、ミサイル防衛や海外での自衛隊の派兵活動等、様々な領域で人工衛星を使った衛星通信を活用している。一九八三年、自衛隊硫黄島に駐留する際に宇宙開発事業団(当時)が打ち上げた通信衛星(CS−2)を利用できるかどうかが問題となったが、「公衆電気通信法(現在の電気通信事業法)により公衆電気通信役務が課せられており、その役務をあまねく無差別に提供することが法的義務として求められていたことから、自衛隊だけを逆差別せず、役務の提供をすることが妥当」という政府の解釈により、自衛隊による衛星通信の軍事利用が始まった。その後、一九八五年に海上自衛隊による米国の軍事通信衛星(フリートサット)の利用が問題となった際には、政府は「その利用が一般化している衛星及びそれと同様の機能を有する衛星については、自衛隊による利用が認められると考える」という解釈(いわゆる一般化理論)までも作り上げるに至った。

 衛星通信は周波数帯により様々な分類がされているが、自衛隊はそのうちXバンド(X帯)と呼ばれる周波数帯の衛星通信を基幹通信として位置づけている。現在、自衛隊のXバンドの衛星通信は民間の衛星通信会社「スカパーJSAT」が保有する商用衛星「スーパーバード」三機に搭載したXバンドの中継器を借り上げる形で運用されている。この三機の商用衛星のうち二機(B2号機とD号機)が二〇一五年度中に設計寿命を迎えるという理由から、防衛省は「次期Xバンド衛星通信中継機能等の整備・運営事業」という名称で、後継のXバンド通信衛星を利用した自衛隊による宇宙の軍事利用を進めている。後継二機の衛星製造、打ち上げ、管制等はPFI事業により民間企業(特定目的会社)が担うが、衛星の保有者はこれまでの衛星通信企業ではなく、国(防衛省)になることが明らかとなっている。

 これまでも自衛隊は、民間企業が所有する衛星を使って衛星通信の用途をなし崩し的に拡大してきたが、自衛隊自らが主体となって軍事通信衛星保有し利用することは初めてのことである。これは平和主義の理念を掲げた憲法を持つ我が国としてきわめて深刻な問題である。

 よって、次のとおり質問する。なお、すべて西暦で表記されたい。

衆議院議員吉井英勝君提出自衛隊保有する通信衛星無人機の導入に関する質問に対する答弁書

(一) 衛星通信で使われる周波数帯の区分と周波数を示されたい。そのうち、Xバンドの特徴と利点、欠点は何か。

(一)について

 我が国において一般的に衛星通信で用いられるものとして割当て可能な周波数は、一・五一八ギガヘルツから一・五五九ギガヘルツまで、一・六一ギガヘルツから一・六六〇五ギガヘルツまで、一・六六八ギガヘルツから一・六七五ギガヘルツまで、一・九八ギガヘルツから二・〇一ギガヘルツまで、二・一七ギガヘルツから二・二ギガヘルツまで、二・四八三五ギガヘルツから二・五三五ギガヘルツまで、二・六五五ギガヘルツから二・六九ギガヘルツまで、三・四ギガヘルツから四・二ギガヘルツまで、四・五ギガヘルツから四・八ギガヘルツまで、五・〇九一ギガヘルツから五・二五ギガヘルツまで、五・八五ギガヘルツから七・〇七五ギガヘルツまで、七・二五ギガヘルツから七・七五ギガヘルツまで、七・九ギガヘルツから八・四ギガヘルツまで、十・七ギガヘルツから十一・七ギガヘルツまで、十二・二ギガヘルツから十三・二五ギガヘルツまで、十三・七五ギガヘルツから十四・五ギガヘルツまで、十五・四三ギガヘルツから十五・六三ギガヘルツまで、十七・三ギガヘルツから二十一・二ギガヘルツまで、二十四・七五ギガヘルツから二十五・二五ギガヘルツまで及び二十

七ギガヘルツから三十一ギガヘルツまでである。

 いわゆるXバンドと呼ばれる七・二五ギガヘルツから七・七五ギガヘルツまで及び七・九ギガヘルツから八・四ギガヘルツまでの周波数帯の電波は、一般に、移動通信の面では、より高い周波数の電波に比べ優れているが、より低い周波数の電波に比べ劣っており、また、大容量通信の面では、より低い周波数の電波に比べ優れているが、より高い周波数の電波に比べ劣っている。

(二) これまで我が国が保有してきた通信衛星放送衛星(技術試験衛星を含む)すべてについて、名称、主たる製造者(企業名)と国名、運用者・保有者の名称と国名、周波数帯と周波数、運用開始日、打ち上げに使ったロケット名と国名、打ち上げ日を示されたい。また、このうち自衛隊が通信に利用(実験を含む)した衛星の名称を、Xバンドとそれ以外の周波数帯に分け示されたい。なお、箇条書きで分かりやすく表されたい。

(二)について

 お尋ねの「我が国が保有してきた通信衛星放送衛星(技術試験衛星を含む)」の①名称、②「運用者・保有者の名称と国名」、③周波数帯・周波数、④「打ち上げに使ったロケット名と国名」、⑤打ち上げ日、⑥定常段階に移行した日及び⑦「主たる製造者(企業名)と国名」については、関係する資料の保存期間が満了しているものもあること等から、網羅的かつ確定的にお示しすることは困難であるが、現時点において承知している限りでお示しすると、次のとおりである。なお、防衛省自衛隊が使用する周波数帯の詳細については、これを明らかにした場合、自衛隊の部隊等の運用に支障を及ぼすおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

  ①JCSAT‐1B ②スカパーJSAT株式会社(以下「スカパーJSAT」という。)(日本) ③十二・〇〇八〇五ギガヘルツから十二・七四六四五ギガヘルツまで ④ArianeⅣ(フランス) ⑤平成九年(千九百九十七年)十二月三日

  ①JCSAT‐2A ②スカパーJSAT(日本) ③三・七〇二一ギガヘルツから四・一九七ギガヘルツまで及び十二・二五三二五ギガへルツから十二・七四八二五ギガヘルツまで ④ArianeⅣ(フランス) ⑤平成十四年(二千二年)三月二十九日

  ①JCSAT‐3A ②スカパーJSAT(日本) ③三・九四ギガヘルツから四・二ギガヘルツまで及び十二・二ギガへルツから十二・七四八ギガヘルツまで ④ArianeⅤ(フランス) ⑤平成十八年(二千六年)八月十二日

  ①JCSAT‐4A ②スカパーJSAT(日本) ③十二・二五四五五ギガへルツから十二・七三三ギガヘルツまで ④AtlasⅡAS(米国) ⑤平成十年(千九百九十八年)十月一日

  ①JCSAT‐5A/N‐STAR‐d ②スカパーJSAT(日本)及び株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下「NTTドコモ」という。)(同国) ③二・五〇五ギガヘルツから二・五三四九七七五ギガヘルツまで、三・七ギガヘルツから四・一二ギガヘルツまで、四・一二四〇一二五ギガヘルツから四・一九五九七七五ギガヘルツまで及び十二・二五四ギガへルツから十二・七四九ギガヘルツまで ④Zenit‐3SL(米国) ⑤平成十八年(二千六年)四月十三日

  ①N‐STAR‐c ②スカパーJSAT(日本)及びNTTドコモ(同国) ③二・五二ギガヘルツから二・五三五ギガヘルツまで及び四・一二四〇一二五ギガヘルツから四・一九五九七七五ギガヘルツまで ④ArianeⅤ(フランス) ⑤平成十四年(二千二年)七月六日

  ①SUPERBIRD‐A2/MCS‐2a‐C ②宇宙通信株式会社(当時)(日本)及び株式会社エム・シー・シー(以下「MCC」という。)(同国) ③七ギガヘルツ及び八ギガヘルツ、十二・二七二〇五一ギガヘルツから十二・七四七九四九ギガヘルツまで並びに十八・七三五〇八ギガヘルツから十九・一九四九二ギガヘルツまで ④AtlasⅡAS(米国) ⑤平成十六年(二千四年)四月十六日

  ①SUPERBIRD‐A3 ②スカパーJSAT(日本) ③十二・二九三ギガヘルツから十二・七四六五ギガヘルツまで ④AtlasⅡAS(米国) ⑤平成九年(千九百九十七年)七月二十八日

  ①SUPERBIRD‐B2/MCS‐3b‐C ②スカパーJSAT(日本)及びMCC(同国) ③七ギガヘルツ及び八ギガヘルツ、十二・二七二〇五一ギガヘルツから十二・七四七九四九ギガヘルツまで並びに十八・四九五〇八ギガヘルツから十九・三一四九二ギガヘルツまで ④Ariane44LP(フランス) ⑤平成十二年(二千年)二月十八日

  ①SUPERBIRD‐C ②スカパーJSAT(日本) ③十一・九〇二〇五一ギガヘルツから十二・七四六四四九ギガヘルツまで ④AtlasⅡAS(米国) ⑤平成九年(千九百九十七年)七月二十八日

  ①SUPERBIRD‐C2/MCS‐2c‐C ②スカパーJSAT(日本)及びMCC(同国) ③七ギガヘルツ及び八ギガヘルツ並びに十二・二七一五五ギガヘルツから十二・七四六四五ギガヘルツまで ④ArianeⅤ(フランス) ⑤平成二十年(二千八年)八月十五日

  ①SUPERBIRD‐D/JCSAT‐110/MCS‐1d‐C ②スカパーJSAT(日本)及びMCC(同国) ③七ギガヘルツ及び八ギガヘルツ並びに十二・二五三ギガへルツから十二・七二九ギガヘルツまで ④ArianeⅣ(フランス) ⑤平成十二年(二千年)十月七日

  ①BSAT‐2c ②株式会社放送衛星システム(以下「B‐SAT」という。)(日本) ③十二・〇三四三六ギガヘルツ ④ArianeⅤ(フランス) ⑤平成十五年(二千三年)六月

  ①BSAT‐3a ②B‐SAT(日本) ③十一・七二七四八ギガヘルツから十一・七六五八四ギガヘルツまで及び十一・八〇四二ギガヘルツから十二・〇三四三六ギガヘルツまで ④ArianeⅤ(フランス) ⑤平成十九年(二千七年)四月

  ①BSAT‐3b ②B‐SAT(日本) ③十一・七二七四八ギガヘルツから十一・七六五八四ギガヘルツまで及び十一・九五七六四ギガヘルツから十二・一四九四四ギガヘルツまで ④ArianeⅤ(フランス) ⑤平成二十二年(二千十年)九月

  ①BSAT‐3c ②B‐SAT(日本) ③十一・八〇四二ギガヘルツから十一・九一九二八ギガヘルツまで及び十二・〇三四三六ギガヘルツから十二・一四九四四ギガヘルツまで ④ArianeⅤ(フランス) ⑤平成二十三年(二千十一年)四月

  ①技術試験衛星Ⅱ型「きく二号」(ETS‐Ⅱ) ②宇宙開発事業団(当時。以下「事業団」という。)等(日本) ③二ギガヘルツから三ギガヘルツまで及びその近傍の周波数、十二ギガヘルツから十四ギガヘルツまで及びその近傍の周波数並びに二十ギガヘルツから三十ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④N‐I三号機(同国) ⑤昭和五十二年(千九百七十七年)二月二十三日 ⑥同年五月八日 ⑦三菱電機株式会社(以下「三菱電機」という。)(同国)

  ①実験用中容量静止通信衛星「さくら」(CS) ②事業団等(日本) ③四ギガヘルツから六ギガヘルツまで及びその近傍の周波数並びに二十ギガヘルツから三十ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④デルタ二千九百十四型百三十七号機(米国) ⑤昭和五十二年(千九百七十七年)十二月十五日 ⑥昭和五十三年(千九百七十八年)五月十五日 ⑦三菱電機(日本)

  ①実験用中型放送衛星「ゆり」(BS) ②事業団等(日本) ③十二ギガヘルツから十四ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④デルタ二千九百十四型百四十号機(米国) ⑤昭和五十三年(千九百七十八年)四月八日 ⑥同年七月二十日 ⑦株式会社東芝(以下「東芝」という。)(日本)

  ①実験用静止通信衛星「あやめ」(ECS) ②事業団等(日本) ③四ギガヘルツから六ギガヘルツまで及びその近傍の周波数並びに二十ギガヘルツから三十ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④N‐I五号機(同国) ⑤昭和五十四年(千九百七十九年)二月六日 ⑥軌道投入に失敗 ⑦三菱電機(同国)

  ①実験用静止通信衛星「あやめ二号」(ECS‐b) ②事業団等(日本) ③四ギガヘルツから六ギガヘルツまで及びその近傍の周波数並びに二十ギガヘルツから三十ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④N‐I六号機(同国) ⑤昭和五十五年(千九百八十年)二月二十二日 ⑥軌道投入に失敗 ⑦三菱電機(同国)

  ①通信衛星二号‐a「さくら二号‐a」(CS‐2a) ②事業団等(日本) ③四ギガヘルツから六ギガヘルツまで及びその近傍の周波数並びに二十ギガヘルツから三十ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④N‐Ⅱ三号機(同国) ⑤昭和五十八年(千九百八十三年)二月四日 ⑥同年五月五日 ⑦三菱電機(同国)

  ①通信衛星二号‐b「さくら二号‐b」(CS‐2b) ②事業団等(日本) ③四ギガヘルツから六ギガヘルツまで及びその近傍の周波数並びに二十ギガヘルツから三十ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④N‐Ⅱ四号機(同国) ⑤昭和五十八年(千九百八十三年)八月六日 ⑥同年十一月一日 ⑦三菱電機(同国)

  ①放送衛星二号‐a「ゆり二号‐a」(BS‐2a) ②事業団等(日本) ③十二ギガヘルツから十四ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④N‐Ⅱ五号機(同国) ⑤昭和五十九年(千九百八十四年)一月二十三日 ⑥同年四月二十一日 ⑦東芝(同国)

  ①放送衛星二号‐b「ゆり二号‐b」(BS‐2b) ②事業団等(日本) ③十二ギガヘルツから十四ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④N‐Ⅱ八号機(同国) ⑤昭和六十一年(千九百八十六年)二月十二日 ⑥同年七月十一日 ⑦東芝(同国)

  ①技術試験衛星Ⅴ型「きく五号」(ETS‐Ⅴ) ②事業団等(日本) ③一・五ギガヘルツから一・六ギガヘルツまで及びその近傍の周波数並びに四ギガヘルツから六ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④H‐I試験機二号機(同国) ⑤昭和六十二年(千九百八十七年)八月二十七日 ⑥同年十一月三十日 ⑦三菱電機(同国)

  ①通信衛星三号‐a「さくら三号‐a」(CS‐3a) ②事業団等(日本) ③四ギガヘルツから六ギガヘルツまで及びその近傍の周波数並びに二十ギガヘルツから三十ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④H‐I三号機(同国) ⑤昭和六十三年(千九百八十八年)二月十九日 ⑥同年五月十六日 ⑦三菱電機(同国)

  ①通信衛星三号‐b「さくら三号‐b」(CS‐3b) ②事業団等(日本) ③四ギガヘルツから六ギガヘルツまで及びその近傍の周波数並びに二十ギガヘルツから三十ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④H‐I四号機(同国) ⑤昭和六十三年(千九百八十八年)九月十六日 ⑥同年十二月八日 ⑦三菱電機(同国)

  ①放送衛星三号‐a「ゆり三号‐a」(BS‐3a) ②事業団等(日本) ③十二ギガヘルツから十四ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④H‐I七号機(同国) ⑤平成二年(千九百九十年)八月二十八日 ⑥同年十一月二十八日 ⑦日本電気株式会社(以下「NEC」という。)(同国)

  ①放送衛星三号‐b「ゆり三号‐b」(BS‐3b) ②事業団等(日本) ③十二ギガヘルツから十四ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④H‐I八号機(同国) ⑤平成三年(千九百九十一年)八月二十五日 ⑥同年十月二十四日 ⑦NEC(同国)

  ①技術試験衛星Ⅵ型「きく六号」(ETS‐Ⅵ) ②事業団等(日本) ③二ギガヘルツから三ギガヘルツまで及びその近傍の周波数、四ギガヘルツから六ギガヘルツまで及びその近傍の周波数、二十ギガヘルツから三十ギガヘルツまで及びその近傍の周波数並びに四十ギガヘルツから五十ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④H‐Ⅱ試験機二号機(同国) ⑤平成六年(千九百九十四年)八月二十八日 ⑥同年十二月十五日 ⑦東芝(同国)

  ①通信放送技術衛星「かけはし」(COMETS) ②事業団等(日本) ③二十ギガヘルツから三十ギガヘルツまで及びその近傍の周波数並びに四十ギガヘルツから五十ギガヘルツまで及びその近傍の周波数 ④H‐Ⅱ五号機(同国) ⑤平成十年(千九百九十八年)二月二十一日 ⑥同年七月二十三日 ⑦NEC(同国)

  ①技術試験衛星Ⅷ型「きく八号」(ETS‐Ⅷ) ②独立行政法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」という。)(日本)、独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。)(同国)及び日本電信電話株式会社(同国) ③二・五〇〇五五ギガヘルツから二・五〇二九五ギガヘルツまで及び二十・七八五〇五ギガヘルツから二十・八三五〇五ギガヘルツまで ④H‐ⅡA十一号機(同国) ⑤平成十八年(二千六年)十二月十八日 ⑥平成十九年(二千七年)四月二十五日 ⑦三菱電機(同国)

  ①超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS) ②JAXA(日本)及びNICT(同国) ③十七・七ギガヘルツから十八・九ギガヘルツまで ④H‐ⅡA十四号機(同国) ⑤平成二十年(二千八年)二月二十三日 ⑥同年六月三十日 ⑦NEC(同国)

 これらのうち、防衛省(平成十九年一月九日より前は防衛庁。以下同じ。)・自衛隊が「通信に利用(実験を含む)した衛星」の名称については、関係する資料の保存期間が満了しているものもあること等から、網羅的かつ確定的にお示しすることは困難であるが、現時点において承知している限りでお示しすると、Xバンドについては、SUPERBIRD‐A2/MCS‐2a‐C、SUPERBIRD‐B2/MCS‐3b‐C、SUPERBIRD‐C2/MCS‐2c‐C及びSUPERBIRD‐D/JCSAT‐110/MCS‐1d‐C、それ以外の周波数帯については、SUPERBIRDのうちのいずれか、JCSATのうちのいずれか、N‐STARのうちのいずれか及び超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)である。

(三) 自衛隊がXバンドの衛星通信を使い始めたのはいつからで、どのような理由からか。また、自衛隊がXバンドの衛星通信を基幹通信と位置づけている理由は何か。 (三)について 防衛省自衛隊は、洋上における艦艇の通信の信頼性向上等のため、平成二年(千九百九十年)三月からXバンドの電波を用いた衛星通信の利用を開始した。

 防衛省自衛隊では、気象や地形の制約を受けにくいXバンドの電波を用いた衛星通信は、通信接続の確実性が高く、広範囲の通信が可能であることから、これを自衛隊の部隊等を指揮統制するための基幹通信と位置付けているところである。

(四) 我が国の民間通信衛星でXバンドの周波数帯を使用しているものはあるか。ないとすればその理由は何か。

(四)について

 我が国の民間通信衛星でXバンドの周波数帯を使用しているものはある。

(五) 自衛隊が利用しているXバンド通信衛星、後継のXバンド通信衛星は「その利用が一般化している衛星及びそれと同様の機能を有する衛星」の範疇に入るのか。その根拠とともに示されたい。 (五)について

 防衛省自衛隊が現在利用しているXバンド通信衛星はもとより、その後継衛星は、既に民間の通信衛星で利用されているものと同様の機能を有するものである。

(六) 現在、自衛隊はXバンドの衛星通信を、スカパーJSAT社保有の「スーパーバード」に搭載したXバンド中継器を「Xバンド対応通信衛星の中継器の借上げ」という形態で使用している。スーパーバード搭載のXバンド中継器は「MCC社」が所有するもので、現在、防衛省は同社との間で契約を結びXバンドの衛星通信を行っている。防衛省が同社の設立以来これまでに支払ってきた年度別の金額(円単位)はいくらで、合計いくらになるか。また、同社の年度別の総売上額はいくらで、そのうち防衛省との間の契約額の割合は何%を占めるか。

(六)について

 防衛省自衛隊がMCCに支払った年度別の金額及び合計額について、防衛省自衛隊が現在保存している関係書類によって把握できる限りでお示しすると、次のとおりである。

 平成十八年度(二千六年度) 七十二億四千八百四十一万二千五百円

 平成十九年度(二千七年度) 六十七億二千百三万九千五百円

 平成二十年度(二千八年度) 六十三億千四百五十七万六千百円

 平成二十一年度(二千九年度) 六十六億七千五百四十六万五千三百円

 平成二十二年度(二千十年度) 六十五億七千八百五十二万三千円

 合計 三百三十五億三千八百一万六千四百円

 また、MCCの①年度別の総売上高及び②総売上高に占める防衛省との間の契約額の割合について、防衛省自衛隊が現在保存している自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第六十二条第三項の規定に基づく承認に係る関係書類に記載されている金額(総売上高については、消費税相当額が除かれた金額)によってお示しすると、次のとおりである。

 平成七年度(千九百九十五年度) ①七十一億千九百万円 ②九十九・六パーセント

 平成八年度(千九百九十六年度) ①六十八億千六百万円 ②九十九・七パーセント

 平成九年度(千九百九十七年度) ①六十三億七千六百万円 ②九十九・七パーセント

 平成十年度(千九百九十八年度) ①八十一億千六百万円 ②九十八・九パーセント

 平成十一年度(千九百九十九年度) ①九十五億二千七百万円 ②九十九・八パーセント

 平成十二年度(二千年度) ①九十億五千五万五千円 ②九十九・七八パーセント

 平成十三年度(二千一年度) ①七十六億千六百八十三万二千円 ②九十九・三〇パーセント

 平成十四年度(二千二年度) ①七十一億九千八百二十万八千円 ②九十九・五八パーセント

 平成十五年度(二千三年度) ①六十四億六千三十四万九千円 ②九十九・九八パーセント

 平成十六年度(二千四年度) ①七十三億五千七百四十万円 ②九十九・二六パーセント

 平成十七年度(二千五年度) ①七十四億八千九百三十四万円 ②九十八・九一パーセント

 平成十八年度(二千六年度) ①六十九億千二百二十五万円 ②九十九・七九パーセント

 平成十九年度(二千七年度) ①六十四億九百九十九万円 ②九十九・九五パーセント

 平成二十年度(二千八年度) ①六十億八千八百三十三万九千円 ②九十八・四〇パーセント

 平成二十一年度(二千九年度) ①六十三億五千九百一万六千円 ②九十九・九六パーセント

(七) MCC社の設立について、二〇〇一年五月二十三日の防衛庁「離職者就職審査分科会」議事録によると、同社は「移動体通信衛星を利用するにあたり、その役務を防衛庁に提供するために、三菱商事株式会社、三菱電機株式会社、宇宙通信株式会社、日本電気株式会社及び株式会社東芝が出資して設立した会社でございます。通信衛星役務を防衛庁に提供するために作った会社です。」「海上自衛隊の出來というものが顧問で就職し、平成十一年六月に取締役になりました。」という防衛庁(当時)側からの説明がある。

 MCC社のように、これまで自衛隊の活動を主目的として設立された法人が他にあれば明らかにされたい。また、MCC社と、同社以外に自衛隊の活動を主目的として設立された法人各々について、設立以来現在まで、前記の海上自衛隊の出來氏を含め、防衛省退職者はのべ何人が在籍していたか。あわせて、その氏名、退職時の官職もしくは職位、階級を示されたい。

(七)について

 MCCについては、御指摘の出來氏のほか、防衛省自衛隊が現在保存している自衛隊法第六十二条第三項の規定に基づく承認に係る関係書類によって把握できる限りにおいては、平成十二年(二千年)七月から現在までに三十九名が再就職しており、これらの者の①氏名、②退職時の官職、③離職時階級はそれぞれ次のとおりである。

  ①佐野義行 ②海上自衛隊東京業務隊付 ③一等海佐

  ①寺島時義 ②海上自衛隊東京業務隊付 ③二等海佐

  ①大澤勉 ②中央通信隊群司令部付 ③二等海佐

  ①松永慎一 ②第六航空隊付 ③一等海尉

  ①柳田晃 ②第二十二航空群司令 ③海将

  ①一條忠博 ②館山航空基地隊付 ③三等海尉

  ①浦川武俊 ②第三十一航空群司令部付 ③三等海佐

  ①小野裕 ②岩国航空基地隊付 ③三等海佐

  ①澤野憲二 ②海上自衛隊東京業務隊付 ③二等海佐

  ①佐武務 ②第一整備補給隊付 ③二等海佐

  ①森口健二郎 ②陸上自衛隊通信学校副校長(兼)企画室長 ③陸将補

  ①川西孝一 ②航空自衛隊幹部学校教育部長 ③空将補

  ①富吉省三 ②保全監査隊付 ③二等海佐

  ①水野勝幸 ②対潜資料隊付 ③一等海尉

  ①竹中信 ②沖縄基地隊司令 ③海将

  ①助川忠 ②システム通信隊群司令部付 ③三等海佐

  ①菅野公夫 ②移動通信隊付 ③一等海尉

  ①秋山幹男 ②館山航空基地隊付 ③三等海佐

  ①村山七郎 ②第二十二整備補給隊付 ③二等海佐

  ①盛田直行 ②八戸航空基地隊付 ③二等海佐

  ①松浦学 ②陸上自衛隊研究本部総合研究部第二研究課長 ③陸将補

  ①田中伸芳 ②中部航空警戒管制団副司令 ③空将補

  ①石見次郎 ②システム通信隊群司令部付 ③一等海佐

  ①辻信治 ②中央基地システム通信隊付 ③三等陸佐

  ①藤田俊之 ②東部方面後方支援隊付 ③三等陸佐

  ①池田秀雄 ②中央システム通信隊付 ③二等海尉

  ①中村敏雄 ②呉基地業務隊補充部付 ③三等海佐

  ①中尾武憲 ②呉基地業務隊付 ③三等海佐

  ①山本末弘 ②海上自衛隊東京業務隊付 ③三等海佐

  ①長谷川洋 ②海上自衛隊第一術科学校長 ③海将

  ①今井惠治 ②通信団副団長 ③陸将補

  ①阿久根利行 ②第一航空群司令部付 ③二等海尉

  ①原敬 ②中央システム通信隊付 ③一等海尉

  ①荒木弘 ②岩国航空基地隊付 ③准海尉

  ①伊藤功 ②海上自衛隊東京業務隊付 ③一等海尉

  ①桑名賢二 ②第二十一整備補給隊付 ③二等海尉

  ①小濱茂 ②第五航空群司令部付 ③一等海尉

  ①佐々木博文 ②第七十一航空隊付 ③一等海尉

  ①松下春喜 ②システム通信隊群司令部付 ③二等海佐

  なお、お尋ねの「自衛隊の活動を主目的として設立された法人」の意味するところが必ずしも明らかでないため、これに関するお尋ねについてお答えすることは困難である。

(八) 自衛隊が現在Xバンド通信に使用している通信衛星(スーパーバード)の静止軌道位置の経度は、それぞれ何度か。また、その通信可能領域に含まれる国名あるいは地域名をすべて明らかにされたい。 (八)について

 防衛省自衛隊が現在利用しているSUPERBIRD‐B2/MCS‐3b‐C、SUPERBIRD‐C2/MCS‐2c‐C及びSUPERBIRD‐D/JCSAT‐110/MCS‐1d‐Cの静止軌道位置の経度は、それぞれ東経百六十二度、東経百四十四度、東経百十度である。一般に、衛星通信において通信が可能な領域は、衛星の軌道位置、地形、地上側器材の性能等の様々な条件により定まるものであり、御指摘の「通信可能領域に含まれる国名あるいは地域名」をお答えすることは困難である。

(九) Xバンドの衛星通信を、現在の借上方式からPFI事業に変更する理由は何か。具体的かつ詳細に示されたい。また、PFI事業にした場合の総事業費(千円単位)はいくらで、契約期間は何年を見込んでいるのか。 (九)について

 防衛省自衛隊が現在利用しているXバンド通信衛星については、三機のうち二機が平成二十七年度(二千十五年度)中に設計寿命を迎えることを踏まえ、これらの後継機の整備を含むXバンド衛星通信システムの再構築が急務となっている。衛星の製造、打ち上げ、管制等には、多額のコストを要するほか、衛星事業固有の様々な事業リスクが存在することから、防衛省自衛隊では、Xバンド衛星通信中継機能等の整備・運営事業(以下「本事業」という。)の実施について、「現在の借上方式」によらず、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成十一年法律第百十七号。以下「PFI法」という。)を適用し、民間事業者の資金、経営能力及び衛星に関する技術的能力を活用してコストの低減を図るとともに、民間事業者との責任分担の明確化を図りつつ、事業の収益性を確保することを通じて事業リスクの管理を効率的に行うこと等により、低廉かつ良質なXバンド衛星通信機能を確保していくことを予定している。本事業の事業期間は十九年間を予定しており、平成二十四年度概算要求において所要の経費(千八百八十一億千百二万六千円)を要求

している。

(十) 防衛省は、Xバンド衛星通信のために、MCC社に対し二〇一〇年度実績で年間に約六十一億九千万円を支払っている。PFI事業にすることによって、コストを低減することができるのか。低減できるとすれば、その金額を算出根拠とともに示されたい。また、仮に詳細なコスト分析はこれから算出するのであれば、コストが低減できない分析結果が出た場合には、PFI事業によるXバンド通信衛星の運用は行わないことになるのか。その際はどういう形態で運用するのか明らかにされたい。 (十)について

 本事業をPFI法により実施することとするのは、PFI法第六条の規定に基づき、本事業が、特定事業として実施することが適切であると認められた場合であり、事業期間全体を通じてコストの削減が期待できない等の理由により、適切であると認められない場合には、PFI法以外の法令等に基づいて本事業に必要な装備品等や役務の調達を行うこととなる。なお、防衛省自衛隊は、本年十一月、本事業について、PFI法第五条に基づき、実施方針を定めて公表したところである。

(十一) 本年二月に当方が防衛省に求めた説明資料の中では、後継の通信衛星二機の所有権についてはPFI事業を運営する特別目的会社に帰属すると記述されている。その後、十一月二日に防衛省が公表した「Xバンド衛星中継機能等の整備・運営事業」実施方針において、「事業者は、本事業衛星を静止軌道位置で安定させ、所要の通信機能が発揮されることを確認した上で、本事業衛星を国に引き渡す」と、後継の通信衛星は国、すなわち防衛省自衛隊保有することを明らかにしている。後継通信衛星保有者について、PFI事業者から防衛省に変更したのはいつで、また、保有者を防衛省にすることにした詳細な理由を明らかにされたい。 (十一)について

 御指摘の説明資料の記述については、「後継の通信衛星二機の所有権」の帰属も含めた事業形態に関する検討中の事項として示したものであり、「後継の通信衛星二機の所有権」の帰属が変更されたとの御指摘は当たらない。なお、防衛省自衛隊が、本年十一月に公表した本事業の実施方針では、事業リスクの管理を効率的に行う観点から、衛星を所定の段階で防衛省自衛隊に引き渡すこととしている。

(十二) PFI事業者が調達することになる通信衛星は、いわゆる日米衛星調達合意に基づき国際競争入札の対象となるのか。自衛隊が活用する衛星なので対象外なのか。 (十二)について

 御指摘の「PFI事業者が調達することになる通信衛星」が、「非研究開発衛星の調達手続等について」(平成二年六月十四日アクション・プログラム実行推進委員会決定)が定める手続の適用対象となるか否かについては、事業の性質等に照らして個別に我が国政府として判断することとなる。

(十三) 自衛隊保有することになる通信衛星は、自衛隊の装備品となるのか。ならないとすれば、その理由は何か。

(十三)について

 自衛隊の装備品とする予定である。

(十四) 艦船、航空機、潜水艦等の移動体のXバンド衛星通信の通信機器整備にこれまで要した経費(千円単位)はいくらで、今後必要とする経費(同)はいくらと見込んでいるか。 (十四)について

 「これまで要した経費」については調査に膨大な時間を要するため、また、「今後必要とする経費」については現在検討中であり、これらのお尋ねについてお答えすることは困難である。

(十五) Xバンド衛星通信のための国内外の地上局(航空地球局、海岸地球局等)、管制局の各々の正式な名称、設置場所(正確な地名)、設置日を明らかにされたい。また、各々について設置に要した経費(千円単位)はいくらか。今後整備するのであれば、設置場所、設置予定時期、必要と見込まれる経費(同)を明らかにされたい。 (十五)について

 Xバンド衛星通信に係る地上局は、MODはちのへMCSちきゅう(青森県八戸市、平成十年(千九百九十八年)四月二十四日設置)、MODいるまMCSちきゅう(埼玉県狭山市、平成十一年(千九百九十九年)一月二十八日設置)、MODいいおかMCSちきゅう(千葉県旭市、平成元年(千九百八十九年)六月三十日設置)、MODいちがやMCSちきゅう(東京都新宿区、平成十年(千九百九十八年)九月三日設置)、MODよこすかMCSちきゅう(神奈川県横須賀市、平成四年(千九百九十二年)六月十日設置)、MODあつぎMCSちきゅう(同県綾瀬市、平成五年(千九百九十三年)六月三十日設置)、MODくれMCSちきゅう(広島県呉市、平成四年(千九百九十二年)六月二十四日設置)、MODいわくにMCSちきゅう(山口県岩国市、平成十四年(二千二年)三月十五日設置)、MODなはMCSちきゅう(沖縄県那覇市、平成十五年(二千三年)三月十三日設置)である。これらの「設置に要した経費」については、関係書類の保存期間が満了し、既に廃棄されていることから、お答えすることは困難である。なお、現在、防衛省自衛隊では管制局を有して

いない。

 今後の整備については、次期Xバンド衛星通信システムの運用開始時期に合わせて、管制局を海上自衛隊飯岡受信所及び海上自衛隊呉基地に整備することを検討しているところであり、お尋ねの「必要と見込まれる経費」を含め、その詳細についてお答えすることは困難である。

(十六) 現在、自衛隊がXバンド衛星通信に利用している三機のスーパーバードのうちC2号機も将来的には設計寿命を迎え機能を停止するが、その時期はいつになっているか。また、設計寿命を迎えるに当たって、後継機も防衛省保有しPFI事業で運用することを検討しているのか。あるいは、その可能性はないのか。 (十六)について

 お尋ねの衛星は、スカパーJSATによれば、平成三十五年(二千二十三年)に設計寿命を迎えることとされている。また、SUPERBIRD‐C2/MCS‐2c‐Cが設計寿命を迎えた後のXバンド衛星通信システム全体については、今後、将来の所要等を踏まえて検討することとしている。

(十七) 海上自衛隊の「Xバンド衛星中継器等」の仕様書に、「この装置の打ち上げロケットは、H−ⅡA又はAriane5相当を想定するものとする。」とある。我が国のロケット以外に外国のロケットを打ち上げに使う選択肢が仕様書に書かれているが、「国内産業の振興」を定めた宇宙基本法との整合性をどのようにして図っているのか。 (十七)について

 お尋ねの「Xバンド衛星中継器等」が組み込まれる衛星の打ち上げについては、本事業の実施方針に附属する資料である「業務要求水準書(案)」において、「国産ロケットを優先的に使用することを追求する」こととしているところであり、宇宙基本法(平成二十年法律第四十三号)第四条との整合性は図られているものと認識している。

(十八) Xバンド通信衛星の目的は、防衛省の公表資料中に「国際平和協力活動等における現地状況の迅速な把握と的確な指揮命令」「弾道ミサイル防衛や警戒監視、各種事態における迅速な情報伝達と的確な指揮命令」「抗たん性に優れた高速大容量通信を可能とし、通信システムとしての共通化を図り、全自衛隊として情報共有し、統合幕僚監部による一元化した通信統制の下、統合運用を実現」と記述されている。Xバンド通信衛星を使った自衛隊の宇宙の軍事利用の目的は、国内外での米国との軍事活動における情報の迅速かつ的確な伝達である。現在のXバンド通信衛星と次期Xバンド通信衛星は、米軍との情報共有ができるように設計され、米軍と共通運用されるようになっているのか。あるいは米軍には受信できない設計なのか。 (十八)について

 防衛省自衛隊が現在利用しているXバンドの電波を用いた衛星通信及び次期Xバンド衛星通信システムによる衛星通信は、いずれも防衛省自衛隊内における通信を確保することを目的としたものであり、米軍との通信を前提とした設計とはしていない。

(十九) 防衛省の「宇宙開発利用に関する基本方針」における「宇宙開発利用の推進に関する施策」の一つに、「衛星通信機能を有する衛星」が掲げられ、「今後の衛星通信機能の向上の方法(汎用商用衛星及び防衛専用衛星の利用、他省庁または民間との相乗り、民間事業者の能力の活用)については、通信所要(覆域、容量、ネットワークの統合化、抗たん性等)を明らかにしたうえで、利用の安定性、運用形態(統合運用、国際平和協力活動)、ライフサイクルコストを含めた費用対効果等をも踏まえ、最適な方法を検討する。また、今後の通信所要を検討した上で、通信の大容量化への対応について検討を進める。」と記述されている。この「衛星通信機能を有する衛星」とは、後継のXバンド通信衛星と理解してよいか。 (十九)について

 今般のXバンド通信衛星の導入は、「宇宙開発利用に関する基本方針について」(平成二十一年一月十五日防衛省宇宙開発利用推進委員会策定。以下「基本方針」という。)に基づいて行った検討の結果を踏まえたものである。

(二十) 「宇宙開発利用に関する基本方針」は、他にも「電波情報収集機能を有する衛星」、「早期警戒機能を有する衛星」をあげている。これらの衛星の導入に関する現在の検討状況を明らかにされたい。また、これらの衛星は「その利用が一般化している衛星及びそれと同様の機能を有する衛星」の範疇に入るのか。 (二十)について

 御指摘の機能を有する衛星については、基本方針に沿って、必要な調査や検討を行っているところであるが、具体的に導入を検討する段階にはない。いずれにせよ、宇宙基本法第二条の「宇宙開発利用は、・・・宇宙開発利用に関する条約その他の国際約束の定めるところに従い、日本国憲法の平和主義の理念にのっとり、行われるものとする。」との規定に基づき、検討を推進してまいりたい。

(二十一) 二〇一〇年一月、防衛省宇宙航空研究開発機構JAXA)が開発した超高速インターネット衛星「きずな」を使って、硫黄島での無人機の飛行実験の動画を入間基地等にリアルタイムで伝送した。その後の自衛隊による「きずな」、準天頂衛星「みちびき」等の人工衛星を使った動画伝送実験や衛星測位実験の取り組みとその成果について明らかにされたい。 (二十一)について

 防衛省自衛隊は、平成二十二年(二千十年)十一月に、NICTと共同で、NICT鹿島宇宙技術センターにおいて、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を利用して、大容量情報伝送に関する試験を行い所要の成果を得た。なお、本年一月から、財団法人衛星測位利用推進センターが主催する準天頂衛星初号機「みちびき」の利用実証に教育及び研究の一環として防衛大学校の講師を参加させている。

(二十二) 東京電力福島第一原子力発電所の事故発生直後、米国は無人機の一つ「グローバルホーク」を日本に持ち込み、事故状況に関する情報収集を行った。グローバルホークの持ち込みに関し、日米間でどのような手続きを経たのか。また、グローバルホークの管制はどこで行ったのか、施設名を明らかにされたい。米国内の基地か、在日米軍基地か。 (二十二)について

 お尋ねの「グローバルホークの持ち込み」に関する日米間の「手続き」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘のグローバル・ホークの活動の受入れに当たって、特段の手続はとられなかった。また、お尋ねのグローバル・ホークの管制といった米軍の運用の詳細については、我が国として承知していない。

(二十三) 防衛省原発事故を踏まえ、日米のメーカーから無人機の導入について検討しているという。また、先島諸島とその周辺の監視のためにも無人機の導入を検討しているとも聞く。これらの詳細について明らかにされたい。また、無人機の研究開発や調査に関する今後の取り組みについて、事項ごとに事業費、予算額(概算要求含む)を示されたい。 (二十三)について

 「中期防衛力整備計画(平成二十三年度〜平成二十七年度)」(平成二十二年十二月十七日閣議決定)においては、無人機を含む新たな各種技術動向等を踏まえ、広域における総合的な警戒監視態勢の在り方について検討することとしている。これを踏まえ、防衛省自衛隊としては、平成二十四年度概算要求において「高高度滞空型無人機の運用・維持・整備に係る海外調査」に係る経費として約百万円を計上しているほか、「遠隔操縦式小型偵察システムの研究」に係る経費として約十五億円、「複数小型移動体の遠隔制御技術の研究」に係る経費として約三千万円を計上し、さらに、東日本大震災の教訓も踏まえ、原子力災害等への対処能力の向上に資するため、無人航空機や陸上無人機を取得するための費用として、平成二十三年度第三次補正予算において約十三億円を計上しているほか、同補正予算及び平成二十四年度概算要求において「CBRN対応遠隔操縦作業車両システム」に係る経費として約三十七億円を計上している。