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悪魔(サタン)の手口は非常に狡猾で、古代より、人々に警戒させないように、悪魔の仕業だと気づかせないようにして忍び寄ってきました。現代ではたとえば人工甘味料であったり、携帯電話の電磁波であったり、人々がこれくらいは問題ないと思うような身近なところから忍び寄り、心の隙を伺い、生活に入り込んできています。

今回はこの悪魔が歴史的にどこから入り込んできて、人間にどのようなことをさせてきたのか、その起源をたどります。

現在、世界中に生じている出来事は、その兆しを太古の最も初期の記録に直接さかのぼって明らかにして初めて、理解され得る。

堕天使によって生み出された巨人

聖書の外典とされているエノク書によれば、
200人の天使からなる集団の長シェミハザはカルメル山に降りた。遠くから人間の娘たちに情欲をいだいていた彼らは、娘たちを娶った。守護天使(警護者)として知られているこの堕天使たちはその妻に魔術を教えた。その結果、ネフィリムの名で知られる巨人が誕生した。
200人の天から落とされた堕天使が、人間の女性をめとり、魔術を教え、子を産ませました。その子は巨人であったと言います。
この巨人たちは、現代の科学者に言わせれば、突然変異体ということになるのだろう。特異なその生まれのせいゆえに、彼らには近隣の人々を恐れさせる慣習と肉欲があった。その長であるサタンはエバと交わり、結果として最初の殺人者カインを生み出した「蛇」でもあった。ネフィリムは他の民族にとって脅威であったばかりでなく、その抗しがたい敵愾心と凶暴さで、自ら互いを攻撃し殺し合うこともあり、その殺した相手を食べさせることで、この世に人肉嗜食をもたらした。
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実在したとされるネフィリム

現在「進撃の巨人」という巨人が人間を食べるマンガが流行しているのも偶然ではないはずです。

サタンによって、つまりその子ネフィリム、さらにはカインを通じて、地上には悪魔的存在が確立されてしまい、神に対するサタンの反逆は以後、何千年ものあいだ、この世を苦しめることになった。以後の人間の歴史は神の民とサタンの礼賛者との戦いの歴史でもあるということだ。
歴史上の悪魔学を研究すると、そうでもしないかぎり説明のつかない人類の歴史に対する回答が明かされる。児童を虐待したり殺したり、淫乱な儀式がおこなわれたり、世界規模の大戦争やその他の大惨事で罪もない人々が大量に殺されたりするのは、大地を耕し、家族を養い、一定水準の文明を維持するという人類の日々の営みとほとんど、あるいはまったくと言っていいほど無関係な現象だ。それどころか、こうした形の厄災は人類の正常なありかたへの真っ向からの攻撃であるばかりか、神の民への攻撃として神への反逆を表明するものであるとさえ言える。
現代の幼児行方不明事件などは、悪魔崇拝の儀式の犠牲になっている可能性を否定することはできません。

洪水の裁きとノアの箱舟

支配者たちはさらなる魔力を求めて悪魔崇拝を行いました。子どもを虐待して生贄として捧げ、他人の妻と淫行にふけって快楽に溺れ、争いによって互いに殺し合い、人肉を食べることが常となりました。神は人間たちが悪魔の考えに従うことを喜び、心に思いはかることと行いとが、もはや悪魔から離れるつもりがないことを思い知らされたのです。

その時代、全き生き方を模索し、神に心を寄せていたのがノアであった。ノアとその家族8人を残して、ノアの箱舟に乗らなかった者たちはすべて洪水で流されました。
大災害が迫っているという警告を神から受けたノアは、首尾よく箱舟を建設した。今でも土木建築の偉業の一つといえる作業である。すべて木材でつくられたこの船は全長135m、幅22.5m、船高13.5m、総重量が36,750トンもあった。この箱舟に「すべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ2つずつを箱舟に入れて、あなたと共にその命を保たせなさい」と神はノアに命じた。
そして裁きは突然やってきました。洪水が襲ってきて、いっさいのものをさらっていくまで、人々は心を改めることはありませんでした。
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トルコで実在した箱舟が見つかっている
神は性行為を禁じた。ところが箱舟にたった一人、ノアの次男ハムはこの命令に背いた。箱舟の中で女と交わった。
次男が神の命令に従わなかったことを知ったノアは悩んだ。罰が下されることがわかっていたからだ。洪水がおさまり、この世の生き物が日々の営みに戻っても、ノアは恐怖に取り憑かれていた。以来、人類にとって悲惨な結果を招く出来事が次々に生じている。
残された家族で人類は悪から離れた世をつくっていくと思われましたが、ノアの次男ハムは、ノアに背きました。そしてハムの息子であるカナンが、ノアを激怒させるほどの何かを行い(同性愛行為であったのではないかと言われています)、呪いを受けたのです。

カナンの呪い

カナンの呪いは彼の名にちなむカナンの地にも及んだ。その地の人々、つまりカナンの子孫自身が人類の最大の厄災となり、そのまま今日に至っている。悪魔崇拝、オカルト的儀式、幼児の人身供養、人肉嗜食といった慣習を始めたからというだけでなく、異邦に出て、移民先の各地にこうした淫乱な慣習を持ち込んだからだ。エジプトにその悪魔的カルトを持ち込んだばかりか、フェニキア人としてさまざまな出来事を続発させて文明の悪魔化をはかった。また、ベネチア人として、ビザンチン帝国のキリスト教文明を破壊したばかりか、のちには「黒い貴族」としてヨーロッパ諸国に侵入し、策略や革命、金融的策謀を通じて、次第に実権を掌握していった。
→フェニキア、カルタゴに蔓延したサタン崇拝
カナンは実によこしまな人間だった。子どもたちに残したその遺言は悪の教義であり、「(同じ種族のあいだでのみ)互いを愛しなさい。盗みを愛しなさい。姦淫を愛しなさい。主人を憎みなさい。真実を語ってはなりません」と記されている。
カナンのこの遺言はこの3000年のあいだ、カナン人の活動の指示書であり続けている。今日でもカナンの遺言はその相続人たち、現在、世界秩序を支配している人々の行動指示書として生き続けている。
このカナンの遺言がバビロニアのタルムード、シオンの議定書といった文章に反映されていきます。

バベルの塔とニムロデ

神への反逆はハムの子孫、ニムロデに続きます。バビロニアの大安息日12月25日に誕生した彼は、バビロニアおよびニネベの町を建設しました。

彼の建てたバベルの塔は、神への反逆の象徴ともいえます。当時の最新技術を用いて、神の洪水がきても裁かれない、天にも届く高い塔を建てようとしました。
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左がバベルの塔の絵。右のEU議会は明らかにバベルの塔を意識しています。
ニムロデは人類の歴史上、邪悪なサタンの慣習のシンボリズムとして無比の存在である。フリーメーソンを創設したのも、神の意思に逆らって、伝説のバベルの塔を建設したにも彼らだと言われる。「タルムード」の伝説によれば、彼は「神に背くよう、すべての人々を仕向けた」とされている。
伝説上、ニムロデは常に魔術を意味するシンボル「X」として記される。「X」がクリスマスの単略系として使われれば、実のところ、それは「ニムロデの祭を祝う」という意味となってしまう。
彼は全世界を支配した最初の人間となり、その力を思うままに操って、未曽有の暴挙と恐怖を世に撒きちらした。ニムロデの時代以降、バビロンは堕落と肉欲のシンボルとなった。また、彼は民族虐殺の慣習を世界にもたらした。彼の祖父にあたるハムは配偶者である邪悪なナアマの説得に負け、殺人儀式、人肉嗜食を実践した。
ニムロデは怒りと憎しみで、人々を生きたまま焼いたりもした。殺害した人々を食べることも含め、このような人身供養に対する単語はニムロデの叔父にあたるカナンの名と邪心バアルの名に起源をもつ。この2つの名を合わせてcannibal(カナバル=人肉嗜食)となったわけだ。また、フリーメーソンの創設者として、最古のフリーメーソン文書の中にも引用されている。
ニムロデは神にたてつく最初の世の権力者であったと言えます。

カナン人による悪魔崇拝

定着先の多民族国家に対するカナン人の破壊性はエジプトでもっとも際立ち、かの地はカナン人の野蛮な慣習によって腐敗した最初の国家となった。本来「バアル」はカナン人の言葉で「主人」を意味するだけの言葉だが、その淫らな儀式は一つの民間イメージ、つまり猫の頭、人間の頭、そしてヒキガエルの頭をもつバアルのイメージを定着させた。バアルの妻アシュトレトはカナン人の主たる女神であり、自然界の生殖原理を象徴した。しかも、断っておくが、その儀式は性的儀式である。バビロンではバアルおよびアシュトレトの神殿は通常一緒になっていて、主に売春宿として利用された。女神官が売春をおこない、男神官も、礼拝者から求められれば、男娼としてそれに応じた。カナン人の神への礼拝はこうした狂宴から成り、すべての寺院は悪の中心地として知られた。また、彼らはブードゥー教の儀式も生み出した。これはモーセの義父であるエチオピア人エテロを通じて、エチオピアの慣習儀式となった。現在では、同じ儀式が、カリブ諸島を訪れる観光客を魅了している。
ほどなく単純なこの悪の儀式はバアルの礼拝者に飽きられはじめた。そこで彼らはさらなる刺激を人身供養および人肉嗜食の儀式に求めた。幼児が犠牲となり殺害されることを呼び物とする儀式である。人々に対する自らの支配力を確たるものにしようと、カナン人の神官は、第一子は邪神のものであり、捧げものとして、差し出されなければならないと主張した。
現在にも引き継がれ、勢いを増す悪魔崇拝は、聖書の創世記から続いています。悪魔思想がはびこり、我々の生活の至るところにどのように表れているのか、そしてそれに対して私たちはどのように勝利していけばいいのか、このブログでは引き続きみなさんと考えていきたいと思います。

出典:寄生虫ユダヤ3000年の悪魔学 カナンの呪い(2004年)成甲書房
ユースタス・マリンズ著、大田龍訳